しかしそんな私の考えをくつがえした素晴らしい猫ジョーイのことを紹介したい。
猫のジョーイは、アメリカのスミス夫妻に飼われているクールな茶トラ猫だった。
ジョニーとリリィは親切な夫妻で、特に奥さんのリリィにはとてもよくしていただいた。
夫妻とジョーイのほかに、スコティッシュテリアに似てるけどそれにしては顔が大きいスーティという犬もいた。
犬のスーティはすぐ近寄って甘えてきたが、猫のジョーイはそっぽを向いていた。予想通りの反応。
リリィが後ろを向いた瞬間、ピタッと止まるスーティの歓迎タイム。
やれやれ…みたいな雰囲気で座り込むスーティ。テンションの格差がすごい。
飼い主の前でだけいい子にしていたわけではなく、飼い主がいるときはごきげんでテンションが高かったんだと思う。飼い主がいないと寂しくて気分が乗らなかったのだろう。
緊張がとけないまま1日を過ごし、疲れて枕多めのベッドに入ると誰かがドアをカリカリしてきた。
人では・・・なさそう。
猫のジョーイ!どうした。
夫妻と思うように英語で会話ができず、受け入れられているか不安だった。
そして犬とは仲良くなれると期待していたが、スーティからは塩対応されていた。
ジョーイは私に全く関心無さそうだったのに、思いがけず部屋に来て撫でさせてくれてうれしかったなあ。
一晩だけ気まぐれで来たのかなと思いきや、翌日以降もずっと部屋に来て眠るようになった。
どうやらジョーイは人見知りしない猫らしい。以前私と同じように南米からの留学生がホームステイしていた時もこの部屋に通っていたようだ。こんな人懐こい猫には初めて会った!
ジョーイ&スーティとすっかり仲良くなり、2匹のおかげでホームステイ生活にもジョジョに奇妙に慣れることができたのだった。
「猫のジョーイ 後編」へつづく
猫のジョーイ 後編