前回記事「NY地下鉄事件簿①」のつづきです。そちらを先にお読みください。
さて、何でもないようなことが日々起こるNY地下鉄で、一度たいへん恐ろしい思いをしたことがありました。
それはある冬の日の夕方17時ごろ。地下鉄には仕事や学校から家路につく人々が多く乗っていた。
電車に揺られ、暖かい車内でうとうと眠くなってきたころ、空気がぴりついたのを感じてハッと目覚める。
車内には緊張感が漂っていた。え、なんだ?と思い周囲を見渡すと、向かい席の人々の表情が妙にこわばっている。
次の瞬間私も気づく。
なんと斜め向かいに座っている男性がペットボトル(500ml)に用を足しているー!(小のほう)
しかも恍惚とした表情で天井を仰いでいる。周りの乗客は息を殺してじっとしている。
怖いのにそのペットボトルをどうするのか気になって目が離せない。
すると・・・
普通に置いたー!(キャップ閉じてない)
何事もなかったかのようにあんた。
電車の揺れでペットボトルが倒れてぶちまけるんじゃないか、または本人が突然中身をまき散らすんじゃないかなど最悪の事態を想像してハラハラしたものの、次の駅に着くころには男性は寝こけていた。
結局無事に目的の駅に到着し、私が先に地下鉄を降りた。
あの男性は降りるときにちゃんと持って帰ったのだろうか。おのれの尿を。
こうして振り返ると笑い話みたいだけど、当時は本当にびっくりして怖かったです。
電車のシートで用を足す人は初めて見たものですから。
しかし、もしかすると本当にただ我慢の限界ギリギリだったのかもしれません。
日本では駅に公衆トイレがほぼ必ずあると思います。私の地元の無人駅ですらあります。
しかしNYの地下鉄駅ではほとんど公衆トイレを見つけることができません。
というか街中にも公衆トイレがほとんどありません。
NYで急にもよおしてから、トイレどこかな、なんて探すのはやめたほうがいいです。
ようやく見つけたトイレがすごく汚い・臭い・紙がないと三拍子そろっているおそれがあります。(経験談)
あの男性もトイレ難民のまま地下鉄に乗り込み、車内で限界を迎えてしまった・・・ということもありえるかもしれません。
ただ、足元に尿を置いてよく寝れるよなとは思います。
今回もまた、じょじょに奇妙にトイレの話になってしまいました。
NYで公衆トイレが少ないのは、治安が悪いことが大いに関係あるのです。
日本はトイレ環境が非常に充実しています。日本はがんばっています!トイレに。
これは素晴らしいことだし、本当に恵まれているんです。
街からトイレが消える・・・そんな日が来ませんように。
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